洋楽で英語学習♪

洋楽の和訳とともに、英語のポイントを解説します。

TOEIC満点取得者の英語力とは

今回はTOEICについてお話しします。

ーこれまで洋楽の和訳ばっかりしてたくせに、しかもブログ名も「洋楽で英語学習♪」のくせにTOEICの話し始めるのかよ、この輩はテーマがブレてるじゃんかー

と思ったそこのあなた。はい、おっしゃる通りでございます。

筆者は2022年8月にTOEICを受験したのですが、そこで満点(990点)を取得したので、それについて書こうと思います。巷には、「TOEIC〇〇点に到達するための勉強法」などのサイトが山ほどありますが、TOEIC満点取得者が書くサイトはあまりないのではと思います。今回のブログポストでは、

TOEIC満点取得者の英語力とは

について書いていきます。ただ、たくさんいるTOEIC満点取得者の一人でしかなく、筆者よりも余裕で満点を取得した方もいれば、筆者よりもギリギリで満点を取得した方もいるはずなので、一個人の体験談として読んでいただけると幸いです。

筆者のTOEICスコアの変遷と当時の英語力について

筆者はこれまでTOEICを3回受験したことがあります。スコアの変遷は以下のようになります。

受験年月 スコア リスニング リーディング
2017年9月 940 450 490
2020年12月 970 475 495
2022年8月 990 495 495

このスコアと筆者の実際の英語力をどう捉えるかは人それぞれですが、それぞれの受験時の筆者の英語力を主観的に説明していきます。

まず大前提ですが、筆者は日本生まれ日本育ちの生粋の純ジャパです。幼少期の海外経験はゼロです。初めての海外は、高校生の時にグアムに旅行で行った時です。

それぞれの点数を取得した時に自分の英語力についてお話しします

 TOEIC940点取得時

大学1年生の時に取得しました。大学は、東京の難関国立大学に通っているとだけ述べておきます。筆者の大学入学時の大体の英語力が想像できると思います。大学受験で受験英語にずっぷり浸かり、リーディングとリスニングはそれなりという状態でした。ただ、アウトプットの能力(スピーキング、ライティング)は壊滅的でした。940点を取得した半年後くらいに、大学の短期留学プログラムでアメリカに行ったのですが、入国審査で「どこに泊まるのか」と聞かれ、「大学が用意してくれた寮に泊る予定だ」と答えたかったものの、うまく英語で言えず、入国審査官に「この子は通訳が必要だ」と言われてしまった有様でした。TOEIC940点だと日本ではそれなりの評価を受け、ビジネスレベルと言われる気がしますが、スピーキングはこんな程度でした。ビジネスは愚か、簡単な英会話すらままなりませんでした。

 TOEIC970点取得時

940点取得の約3年後に受験しました。30点アップしましたが、900点以上になってくると点数アップはかなり難しいのではと思います。できない時の方が伸び代が大きく、できるようになると成長が鈍化するのと同じです。ここで自分が点数アップできたのは、

TOEICの勉強をやめた

からだと思います。拍子抜けしましたか? これは、英語の勉強をやめたと言っているのではありません。ただ、

TOEIC特有のリーディングとリスニングに重きを置いた勉強から離れた

ということです。940点を取得してから970点を取得するまでの間、筆者は交換留学のために必要なTOEFL iBTという試験対策をしていました。これは、日本ではあまり馴染みのない試験ですが、むしろ海外ではTOEICよりもメジャーなのではないかと思います。これはTOEICと違い

・ビジネス英語でなく、大学などアカデミックな環境で運用できる英語力をはかる

・スピーキング、ライティングを含めた4技能を測る

試験です。なので、TOEFL iBTで点を伸ばすためには、TOEIC対策みたいにリーディングやリスニングばかりやっていてはダメなのです。そこで筆者がやっていたのは、アウトプットの練習です。具体的には、

・ニュースや新聞を読んだり聞いたりした後、自分の意見を言ってみる

・新しい単語を学んだら、それを自分で使ってみる

・独り言を英語で言ってみる

・和訳つきの英語学習雑誌などを読んで、日本語訳から英語に直してみる

です。これをやることで、アウトプットの能力が向上します。

これは言語学習をする中で気づいたことなのですが、面白いことに、

4技能はお互いを補完していて、アウトプットの勉強をすると一見関係ないリーディングやリスニングの力も向上する

ということです。

 TOEIC満点取得時

970点から満点取得までに、筆者はカナダの大学に8ヶ月間、交換留学をしていました。970点から990点になったのは、リスニングの点数が20点上がったからですが、それは留学中にリスニングの能力が鍛えられたからだと思います。

 

TOEIC満点の英語力ってどんなもの?

これは個人の見解ですが、

ネイティブ話者はTOEIC満点をほぼ確実に取るが、TOEIC満点だからといってネイティブ話者に匹敵するわけでない

ということです。ネイティブ話者が満点を取れると感じたのは、バイリンガールさんのこの動画を見てからです。

www.youtube.com

あと、アメリカ生まれアメリカ育ちのAllieさんもTOEIC満点だそうです↓

www.youtube.com

こんなことを言うと、「ネイティブ日本人だからと言って現代文満点取れるわけではない」と反論する人がいらっしゃると思いますが、それは違うと思います。筆者はネイティブでないし、ネイティブの人の話を直接聞いたわけでないのであくまで推測ですが、TOEICは正解か誤りかはネイティブ話者なら確実にわかるようなレベルの問題しか出ていないと感じます。高度な文章読解力などはいりません。

筆者はTOEIC満点を取得しましたが、その英語力はどれほどなのでしょうか。4技能を独断的に分析すると、

リーディング:TIMEなどの英語雑誌をスラスラ読める。わからない単語はたまにある程度。分からなくても理解の妨げにはならない。

リスニング:海外のニュース番組はほぼ理解できる。でも、映画になると理解度は50%〜80%。あらすじを理解できても、要所要所で挟まれるジョークなどは理解できなかったり。また、子供向けの映画だとほぼ理解できますが、Mission Impossibleみたいなスパイ系など複雑な映画だと単語レベルが高すぎてほとんど分からないこともあります。

スピーキング:自分の言いたいことは言える。でも、複数のネイティブに混じって会話となると、スピードの観点から少しキツイ。

ライティング:自分の言いたいことは表現できる。

なので、ネイティブスピーカーに達しないビジネスレベルなのではないかと自己分析しています。TOEIC満点は、あくまで英語を自分のものにする道のりの第一ステップなのではないかと思います。英語を使ってネイティブ話者と対等に仕事をしたいと思うのなら、TOEIC満点は必要最低限です。

TOEICで点数を上げるには

これはその人の英語レベルにもよりますが、文法や単語に自信があるけれど点数が伸び悩んでいる方に言えるのは

TOEICから離れましょう

ということです。

TOEICの単語、TOEICのリーディング、TOEICのリスニングだけやっていても、点数は頭打ちになります。TOEIC以上のレベルには到達できません。TOEICのリスニングは、ネイティブ話者が喋るスピードの1/5〜1/3のスピードなのではないかと思います。TOEICばかりやっていても、ネイティブに近づけるようにはなりません。TOEICの勉強をする目的は、TOEICで良い点を取ることでなく、使える英語を身につけることにあるのですから。

TOEICですぐに点数を稼ぎたい方にこのようなアドバイスをしても、遠回りなプロセスのように感じてしまうかもしれないですが、TOEICの教材でなくYouTubeに上がっている英語圏の番組や映画など、

ネイティブスピーカーがネイティブスピーカー向けに話すコンテンツを利用する

ことを強くお勧めします。このようなコンテンツを理解する練習をしていれば、TOEICのリスニングは超クリアかつスローモーションに聞こえます。ネイティブスピーカーは、TOEICみたいにゆっくり話すこともしなければ、モゴモゴ滑舌悪く話すこともあるのですから。

 

筆者はTOEIC満点を取得しましたが、ネイティブスピーカーレベルに到達できるまでの道のりはまだまだだと思います。ネイティブレベルに到達できるかわかりませんし、仕事で使いたいだけならば英語をネイティブレベルまで極める必要はないので自己満と言われたらそれで終わりですが、頑張りたい限りです。英語学習者の方々、一緒に頑張りましょう。